カエルほんのめも

ほんのめもです

横浜読書会第十三回本会『郵便配達は二度ベルを鳴らす』

の読書会に参加してきましたー。
以下はネタバレを含むため、読む予定のかたは読まないように!

・参加前
どこか美味しいところでランチしようかな〜と思っていたのに、出発の時間がギリギリ!
どこも行けないよ〜と泣く泣くパン屋で食べましたが、そういえば近くに美味しそうな牛すき鍋屋があるのだった。
https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140104/14009643/
次回のために忘れないようにメモ。
夜の二次会でどうかと思っていたけれど、夜は高いなぁ。やっぱり始まる前のランチ候補か!?

そして、行く前にツイッターを見ていたら、なんと大人気の千葉読書会が本日開催される模様。あ、あれ? もしかして日にちを間違えたかとドキドキ。
早めに会場に到着したところ、久しぶりの方々がいらっしゃって安心しました。良かった。
でも、いつもより少なめなのは日程がいつもと違うせいか(横浜読書会は上旬が多い)はたまた千葉読書会に人が流れたのか!?

ということで、ネタバレは大丈夫でしょうか?
この本はやや意外な展開があるので、読む気があるなら絶対以下は読まない方が良いですよ〜。
と警告はしたけど、世の中の人はどの程度意外な展開のネタバレを気にするんだろう?

・本会開始
本会が幹事の挨拶で開始しました。
2グループが最初に決められていました。事前アンケートでバランスよく分けてくれてたのかな?
実はわたしは今回の課題書は良さがさっぱりわからず。そういう人が多かった中、どちらのテーブルにも満点をつけたかたがいたので、ありがたかったです。読み方を教えてもらえると良さがわかるってことあるので。

今回の読書会に参加してわたしの『郵便配達は二度ベルを鳴らす』の評価ポイントは二つ。

【映画や舞台は面白そう】
魅力が良くわからない男女が出会った瞬間恋に落ちて〜という話はありがちだけど納得いかない、小説の文体がハードボイルドっぽくない、小説の文体を現代風にしたせいで主人公とヒロインの会話の描き分けがイマイチ、などなど話していて、それなら映画や舞台のほうが良いかも?という話に。
曖昧なところ(余白)が多いから監督ごとの映像作品になりそうという意見にも大いに納得。ジュード・ロウが少し前に舞台でやったらしく、それは見たいね!と盛り上がりました。


【時代背景がわかると見えかたが変わる】

この小説発表の1934年は大恐慌の真っただ中だそうです。
みんな仕事がなくて農場に行って、農民に安い給料で締め付けられたりしていた時代に、主人公のような根無し草の人生に憧れがあったり、でもやっぱり上手く行かないんだという諦めがあったり、それで売れたんじゃないかと話してくれる人がいました。なるほどー。
今回の訳では主人公はすっかり現代のダメンズに感じていたけれど、原文はもっと切れのいい文体だそう。それで読むともっと無骨な主人公なのかも。仕事がどうせないんだからと人生を諦めた主人公だからこそヒロインに唆されるのはわかるかも。

また、もう一つのグループでは、男女が出会った瞬間恋に落ちて〜みたいな小説の元祖で、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』の発表後は似た小説が出ると「郵便配達と同じ」みたいな冠が付けられたとか。
そうなのか!?

今の感覚で読んでも伝わらないという意見に納得でしたー。

・その他
今回の新訳と、昔出た講談社版の訳の最初の一文を読み比べたところ、「おれは」の一語があるのとないので大違いだったのが面白かったです。「おれは」を入れるだけでぐっとハードボイルド!
新訳はハードボイルドというよりラノベっぽくなっているのは、若い層に向けてだったのかなぁ。

郵便配達は二度ベルを鳴らす』のタイトルは引っかかって良い、けどわざわざ邦題を付けるなら何?と話してました。
『愛と欲望の〜』『ギリシア人保険金殺人事件』などなどなんだか小説が別物に見えてきました(笑)
郵便配達は二度ベルを鳴らす』にいつもは入れたほうが良いか入れないほうが良いかも話してました。

わたしはずっと主人公たちはギリシア人を殺さなくてもいいんじゃなかったのかなと疑問なのですが、ヒロインであるコーラの読み方がいろいろ違うんだなぁと思いました。
「生理的に嫌だから殺す」「これは主人公視点だから、コーラはコーラでもっと酷いことをされていて恨みがもっと溜まっていたのかもしれない」「ギリシア人という差別していた人を夫に持つことの不満」「夫は嫌だけど不安定も嫌だから」といろいろ挙げてもらったんですが、その程度で!?としか思えず。しかし、書いていて思うのは、やっぱりコーラは主人公のことが好きでやったというわけではないのかなぁ。主人公のことを利用したのかもしれない。それだったらやっぱり悪い女!?
これは読み直す必要あり?……は。まんまと余白にやられている気がするっ。
10年に一度読むというかたもいらっしゃいましたが、まんまとそんな風になりそうな予感がします。
おかしいなぁ。
読み終わった後はなんでこんな本が課題なの?と思ったのに。

・読書会終了
そんなわけで、今回も楽しい読書会が終わりました。
参加された皆さん、幹事さん、今回もありがとうございました。
お土産をくださったみなさん、とっても美味しかったです。ありがとうございました。
次の本会は11月とのこと。
次こそ上旬でありますように!