カエルほんのめも

ほんのめもです

第3回横浜読書会に行ってきました!

ようやくようやくようやく待ちに待った第3回横浜読書会の本会に参加してきました。
課題書は

スイート・ホーム殺人事件〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スイート・ホーム殺人事件〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

いつものようにネタバレ入ります。今回は特に小説のシーンについてのことも書くので、以下を読まれる方は自己責任でお願いします!

ずっとスピンオフに参加させてもらっていたのですが、やっぱり本会に参加しないと!
ということで、今回は実は営業帰りのかなり恥ずかしいスーツ姿(しかもリクルートスーツに近い)で参加しました。いつもなら普通の格好で行けるのに〜〜〜。
前どこかで参加した読書会で時間よりかなり早く行くと気を使わせることを学んだので、今回はすきやで時間潰し。ギリギリに行きました。が、横浜では10分前から怒涛の会場作りが始まるらしい。大失敗。そんなことなら、早く行けばよかった〜。手伝いできなかった〜。
会場設営、準備などなどしてくださった皆さん、本当にありがとうございました。

さて、以下ネタバレ入ります。
読む予定の人は絶対に以下は読まないように〜。

わたし、実はこれは旧訳版で読んでました。
なんせ読んだのがかなり前なのでそのときは新訳も出てなかった気が。当時はかなりコテコテの本格ミステリ好きで、キャラ小説なんてありえない!と頑なに思っていたので、推理部分が薄く、伏線もイマイチで面白いと思えず。
これってミステリ?ぐらいな気持ちが感想だったように思います。
さらに読みにくくって読みにくくって。すっごく苦労した記憶だけが残ってます(そして、やっぱり翻訳は合わないねと結論付けたような?)。

そんな漠然としたことと犯人だけしか覚えてなく、新訳を読むとあらあら!
すっごく読みやすいんです。
今はキャラ小説も読めるようになったので普通にドタバタコメディとして楽しく読めました。とはいっても、特に話すことないな〜、読書会どうするんだろう?といつものように思ってました。

会場に入るとくじ引きがあり、グループが決められます。
今回はダイナ、エイプリル、アーチに分けられました。
わたしはダイナグループ。よかった、長女のダイナには親しみを感じていたのよね〜と席に着きました。が、これがその日の読書会の運命の分かれ道だったことを知る者は誰もいないのでありました……


まずグループディスカッション、そのあと全体で各グループがどんな話をしたのか発表があり、それに対して意見交換が行われました。
発表で判明したのは、アーチグループは全体的に好意的、エイプリルグループも好意的な意見が多め、そして、我がダイナグループは批判的な意見が多数だったのです〜〜〜〜。
普通に面白かったと思っていたので、まさかそんな事態になるとは思わず、びっくりでした。
でも、考えてみればわたしだって初読の時はそんなに楽しめてなかったかも。内容的に複雑だもんな〜とかなり納得。

批判としては、やっぱりミステリ部分がとっても弱いこと。
これで気づけるのか?という伏線と、さらにミスリードが酷すぎる。
そして、登場人物が似ている職業の人が多く、さらに一人の人が実はあの人だった〜、別の人が実はあの人だった〜ということが多すぎて。それが次々に登場して混乱に混乱が重なります。この母の日シーンはいるのか? このスパイは必要なの? これは結局、誰? 女優だけで三人も登場するので、みんなで一人ずつどういう人か確認作業が必要でした。
被害者に脅されている内容も似たものが多く、誰がなんで脅されて、どういう目に遭っているのか確認が必要でした。みんなで一つずつ確認してようやく全貌がわかったという方がいたぐらい。でも、その方に「今日は来た甲斐があった」といわれたので良かった良かった♪

とにかくわかりにくい、世界に入りにくい、状況が想像できないという意見が多数でした。けれど、好意的な意見の方が「アーチがポリー・ ウォーカーにアジサイを送るシーンにぐっと来た」話されたのを聞き「ピュアな意見だわ。そんなシーンすっかり忘れてた。そういうふうに読まなきゃいけなかったのか!」と目から鱗なこともありました。また、クレイグ・ライスの他の作品も読まれている方から「こんなドタバタな感じの作品が多い。だんだんドタバタにも慣れてくる」というような話を聞き
わたし「だんだんはまってしまったら癖になるまほろ小説みたいなものかしら?」
参加者の方「バンドエイドを剥がした後の臭いをくっさ〜、でもまた嗅ぎたくなるみたいな感じ?」
参加者の方「するめというか、くさやみたいな感じなんですかね」
とまとまりました。クレイグ・ライスはくさや小説なのか……もっと大衆受けを狙っている作家かと思ったのに!
いや、でも、日本であんまり流行ってないらしい(本のあとがきなどに書かれているし、今手に入るのは『スイート・ホーム殺人事件』だけ)ので、その辺に原因があるのかなーと思いました。

他にもタット王の暗号表はこの本だけのものではない事実を知った(後日検索したらこんなページがありました)り、新訳旧訳比較をしたり、時代背景を考えたり、長女次女末っ子の行動比較をしたり、コージーミステリなのか議論をしたり、なかなか楽しいグループディスカッションでした。
特に肯定派、批判派の入り混じったグループに入れたので、喧々諤々の議論ができ、充実の時間を過ごせました。わたしはダイナグループで大正解でした。
(けれど、きっと他のグループの方も同じことを考えていらっしゃると思います。他のグループの方の意見ももっと聞きたかったなぁ)

今回は時間が遅くなりすぎるので二次会には行けず。がっかり。
二次会がどんな感じだったかは、別の方のレポートに期待です。
まとめ役のみなさん、司会の方、参加者の皆さん、本当にありがとうございました。
次の読書会も楽しみにしてます!