カエルほんのめも

ほんのめもです

新年初横浜読書会スピンオフ

新年初めての横浜読書会スピンオフに参加してきました。ドリカムライブを振り切ってです。
しかも、今回は初の土曜昼間開催。読書地図をやろうとずっと話していたのが、ようやく実現したんです♪
読書会の課題は

喪失〔ハヤカワ・ミステリ1866〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

喪失〔ハヤカワ・ミステリ1866〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

いつものようにお約束。
ネタバレはしませんが、内容には触れます。内容一切を知りたくない人は以下読まないように。

横浜某所にて、まずは読書地図(写真参照)。

お題は本日の課題書の喪失です。
最初はスペース余りそうだなと思ってましたが、最終的に用紙はぎっしりに。
みんなで入れたい本をワイワイ話しながら書いていきました。
わたしはコンベンションで見た『ミレニアム』に「オーストラリア」で『忘れられた花園』を繋げるのは、やっていいのか。真似になるからなあと悩み動けず。読書地図にも著作権みたいなのはあるのでしょうか。良心次第か?

大盛りあがりですっかり時間が少なくなる中、読書会へ。
読書会参加を繰り返す中で、わかったことがあります。
それは、読書会では面白いだけの本は語りにくい、話が盛り上がらないってこと。
エドガー賞を受賞しただけで選ばれた今回の課題書はまさにそんな本でした。ど、どうするんだ!?

今回も資料を作ってきてくださったかたがいらっしゃいました。ありがとうございます!
その資料を見てびっくり。
モー・ヘイダーさん、すっごく美人さんなんです!
本の後ろについている本人写真はなんなんだ……(「アラレちゃんみたい」とおっしゃっているかたがいらっしゃったけど、まさにそんな感じ!)
しかも、日本でホステスをしていたことがあったとのこと。かなり経歴が面白そうなかたです。
作家は顔ではないけれど、やっぱり話のネタにはなりますよね。読書会はそんな話から始まりました。

いつものように一人ずつ感想を言っていったんですが、やっぱりみなさん感想としては「面白かった」というかたが多数。
ただ、その面白かったが十人十色でお一人ずつのお話を聞いていて面白かったです。
「読ませる作家。ストーリーテーラーであり、読んでいて面白かった」
「最初は読みにくかったけど、あるページから面白くなっていった」
「読んでいるときは面白くて、先が気になってどんどん読めた」
「最初は面白かったんだけどラストが……」
同じ本の感想とは思えない!
わたしは「先は気になるし面白いんだけど、ディーヴァーと比較すると重くべったりとしてて爽快感がなかった。もっと内容を削ってほしかった」という感想だったんですが、そうすると作家の味がなくなるのでは?と指摘され、そんなものかーと納得。

そこからこの本の出版事情についての話になりました。
資料として出版作品をまとめてくださったかたがいらっしゃり、感謝!
さらに今ちょうど過去の作品を読んでいらっしゃるかたもいて感想をお聞きしました。
それによると、日本で過去に出版された二冊は血糊いっぱいエグエグな作品らしいです。『喪失』のラストを考えると、信じられない!
「『喪失』はあのラストにしたから、エドガー賞をとれたのではないか」とおっしゃるかたがいらっしゃって、そうかも〜と一同納得。
でも、そのせいでせっかくの素材がなんとなくイマイチなことになっているのでは?という話にも。モー・ヘイダーさんの持ち味がなくなってしまっているのではないかという話に。

そもそもこの『喪失』がエドガー賞をとったのはどうなんだ!?という話に。
だって、昨年、一昨年と大当たりをひいているエドガー賞が今年はこの作品?という出来のものをなぜ……とみんなでワイワイ。容疑者Xのが良かったのでは?という意見まで。
ちなみに、この作品はシリーズ物の五作品目。シリーズ途中で読んでも面白い作品はありますが、この作品はシリーズ途中なせいで人間関係は微妙にわからない。さらに、主人公のはずの刑事をよくわからないし、その主人公といい関係になっているもう一人のメインである女性刑事のことがよくわからない!
エドガー賞をとったから出版できるようになったのかもしれないけれど、こんな中途半端な作品を読まされる読者も不幸だし、読ませる作者も不幸」と話してました。うーん、モー・ヘイダーさん、日本出版事情ではあまり恵まれてないかも。

もう少し訳者のかたが頑張ってシリーズ途中でもわかるように書いてほしかったなーなどという話から、このタイトルの話へ。
この『喪失』は何を喪失したのか?
作者はこの作品も他の作品でも日本の題名にも恵まれてないんじゃないかなーという話をしました。
小説読んだときは作者もう少し頑張れよなーと思っていたんですが、話を進めるうちになんだか可哀相に思えてきました。翻訳小説って日本の小説以上に大変かも。

『喪失』だけを読んだら「ふーん」ぐらいで終わっていたのですが、やっぱり読書会に参加して知らないことを知ることで別の印象を持つことができました。やっぱり読書会はいいなぁ。

そんな読書会が終了し二次会へ。
居酒屋さんでわいわい。
みんなでミステリの話をガンガンしてました。
次の課題本は〜という話をよくするのですが、わたしには今年の野望があって、そのジャンルに詳しいかたにぜひ!とお願いしたりしてました。
その他では、精神疾患者が罪を犯した場合どうすべきかというような重い話も。そこから親の子への愛みたいな話も。そういえば、読書会ではあまりできなかったのですが『喪失』で登場した母親の話ももう少ししたかったなぁということでじっくり話しました。
他はディーヴァーについて愛を語ったり♪

昼からスタートだったため、二次会終了後でも時間があったので三次会へ。
11人出席し、三次会まで全員参加でした。
ダイエットとかタバコとか話していても、なぜか最終地点は本の話。
話題尽きず気づけば終電ギリギリ!

今回もとっても楽しかったです。
参加された皆さん、幹事さん、名札作成者さん、いつもありがとうございます。
次は本会でお会いできますように。