カエルほんのめも

ほんのめもです

横浜読書会開催!

横浜読書会の本会に行ってきましたー。
今回の課題書は

都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)

都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)

気になっていた本だったので、とっても楽しみに読みました。
以下、ネタバレ含む内容なため、読むのを楽しみにしている人や読む予定の人などは絶対読まないように。読むときは自己責任でお願いします。

今回の会場は石川町。
いつもより遠いなーと呑気に出かけたら、本当に遠くってびっくり。
いつもより三十分はかかりました。さらに道に迷いました。とほほ。
でも、徒歩三分は絶対嘘だと思うよ。
そんな遠い場所だったので、二次会参加は諦め、一次会だけを楽しんできました。
幹事さん、スペシャルゲストの日暮さん、お菓子を持ってきてくださったかた、貴重な写真を持ってきてくださったかた、名札ケースをさらに作ってきてくださったかた、受付で頑張ってくださったかたなどなど挙げきれませんが、参加された皆さん、本当にありがとうございました。

さて、これだけ前置きすれば、もうネタバレしても平気でしょうか?
会場に入ると、くじを引き、ベジェルグループとウル・コーマグループに分かれました。
わたしはウル・コーマグループ。席に着くと、以前もお話をお聞きしたことがある『都市と都市』の翻訳をされた日暮さんがいらっしゃって緊張。
なぜって、だって感想で酷いことをいうつもりだったから!
別に感想は批判的でもいいとは思うのですが、そうはいってもやっぱり勇気いります。
なけなしの勇気をかき集めていたら、日暮さんはまずはベジェルグループに行かれ見えない人になったので一安心。それからは結構自由に話すことができました。ええ、酷い感想を。

まずはいつものように一人ずつ感想を言っていきました。
感想を聞いていると、賛否両論でとってもいい感じ。読書会では同じ意見だとつまらなくなることが多いんです。
肯定的な意見としては設定がとにかくいい、萌えたというのが大きかったかな。ベジェルとウル・コーマの境界について、自分の生活に照らして考えると面白いとおっしゃるかたもいらっしゃいました。突飛な設定に見えて実はリアル、ありそうなものを積み重ねているはずが、脇道にそれているのが不安に感じて怖くなったとおっしゃるかたもいらっしゃいました。
否定的な意見としては、その大前提にきちんとした説明がないということが大半を占めてました。さらに謎解きが面白くないという意見も多かったです。

それについては、作者はミステリ好きな母のためにクライムノベルを書いたと日暮さんが解説してくださいました。
作者の考えるクライムノベルとは警察小説であり、相棒との関係が変わっていくのが面白いところだから、丹念に警察小説が描かれているという話に一同で納得。もともとこの話のネタもファンタジー用の短編の思いつきだったそうです。作者としては終わりは曖昧で良しと思われているらしく、日本のミステリを想像して読むと違和感しかないのはそのためだったみたいです。
日暮さんはこの小説はSFミステリといわれているけれど、ファンタジーが一番近いとおっしゃってました。

また、作者の言葉についても意見交換の的に。
日暮さんによると、ミエヴィルは造語が多い人で<ブリーチ>をどうするから悩まれたとか。日本語にすると「えんがちょ」かな、その他もネイティブの人もわからない言葉があるなど面白いお話を聞きました。
オルツィニーがどこを想像して作られた言葉か?なんて話も出ました。
SFをあまり読まないのですっかり流して読んでいたのですが、SF好きにはこだわりポイントなんだなぁと興味深かったです。

そして、世界観の話になりました。
作者はあんまり深く考えてなかった気配がするのですが、ブリーチを深く考えると面白かったです。
ベジェルからウル・コーマに向かって目的なく銃乱射したらどうなるのか?
相手国を写真を撮ってみたらどうなるのか?
そんな議論をしていました。
また、ベジェルとウル・コーマはどこの国が舞台なんだろう?という話でも盛り上がりました。
作りこみが甘いせいで変だということは多々ある小説ではありますが、作りこみが甘いおかげで想像できる部分が多い小説でもありました。
外国の小説はそういうことが結構あるらしいというお話を翻訳家さんたちから聞けて楽しかったです。

今回もなかなか楽しい読書会になりました。
来月はスピンオフだろうけれど、行けるかなー。ううう。