カエルほんのめも

ほんのめもです

第3回西東京読書会に行ってきましたー

第3回西東京読書会に行ってきました。
課題書は

です。
今回の読書会ではネタバレ含むところが話題の中心になったので、以下読んでいるとネタバレされてしまうことでしょう。ネタバレ嫌なかたは読まないようにお願いします。読むかたは自己責任で!

感謝

今は消してしまいましたが、一瞬あげていた画像は世話人のお一人が作ってくださったお菓子です。ベリーがいろいろ入って美味しかったー。
他にも珍しいクロアチアのチョコが入ったクッキーなども作ってくださり、美味しいお茶会で幸せでした。
また、会場は三鷹にある風待文庫さん。美味しいパウンドケーキを用意してくださり、コーヒーだけでなくお茶まで出してくださいました。お茶会がものすっごく充実!
あの素敵な雰囲気を写真に撮ってこなかったのが残念でした。あー、わたし、なにやっているんだろう。
企画してくださった世話人の皆様、楽しいお話をいっぱい聞かせてくださった参加者の皆様、本当にありがとうございました。

ということで、以下は内容に入っていきます。
ネタバレありのため、注意ですよ!

映画化について

到着してすぐ、翻訳家の加賀山さんの隣という恵まれた席に。
本の帯「ベン・アフレック監督映画化決定!」から文庫化の話や映画の話をお聞きしました。
読書会に入ってからも、映画化の話は何度か出ました。
そのたびに「ベン・アフレックが主演をやるのか……」という話に。だって『夜に生きる』の主役のジョーはどう考えても20代。ベン・アフレックwikiによると40歳ですか。参加者のお一人は「『アルゴ』みたいにやってくれるならいいよ」とおっしゃってましたけどなぁ。
ルヘインの作品がいくつか映画化していることを全く知らなかったんですが、加賀山さんによると『ミスティック・リバー』の映画が小説のそのままで大変良く出来ていたとのこと。『夜に生きる』もそんなふうになるといいな〜。とはいえ、ベン・アフレックは別の作品も撮っていて、そっちのが先になるみたいな話も。
また、この作品は『ゴッドファーザー』と比較されることが多いそう。それで1を見てきたとおっしゃるかたもいらっしゃいました。しかし、実際は2のほうが近いのではないかとおっしゃるかたも。本当に近いかどうかについては、アメリカの父と息子の関係文学として読むとやっぱり共通する部分があるのではないかとのこと。特に作中の金時計が遅れていくのは、お父さんの影響が薄れていく象徴ではないかというお話。そんなふうにまったく読んでなかったので面白く拝聴しました。

好きな章

第三章に分かれているこの作品。
話題は自然と好きな章の話になりました。
一番人気は第一章。刑務所シーンを絶賛されているかたが多かったです。特に最初に登場するひ弱そうな男が起こすアクションは普通と発想が違っていて面白かったとのこと。『ショーシャンクの空に』やジョジョの6章っぽいという意見もありました。
一方で苦手というかたもいらっしゃいました。そういうかたはギャングものが苦手なかたが多かったように感じました。わたしもその一人。それでも読ませる力がある作品で、結構な厚さなのにぐいぐい読ませるのはすごいなと話してました。
一方、二章が好きなかたもいて、成功のあとの暴力という構成が上手いとおっしゃってました。また、署長の娘の使いかたが上手い、全体的に登場人物の使いかた、まとめかたが綺麗と聞き、確かに〜と納得しました。

エマ

実はよくよく考えると登場シーンがそんなにないジョーの恋の相手エマですが、グラシエラより語られてました。エマがキーパーソンでもう一つぐらい事件を起こすと思ったのに、という意見がある一方、あっさり書かれているからグラシエラとの対比になって良かったという意見も。
エマを得てグラシエラに移行していくのは、恋愛小説といっても良かったのではないか、いやもっと女性を書いてほしい、でも抑えた表現ではあるがエマのことはちゃんとわかるように書かれているなどなど、エマに対しては皆さん様々。二次会ではエマはジョーを待っていたのはないかという説も飛び出したそうです。あー、聞きたかったな。

運命の日

まったく知らず、のんきに『夜に生きる』を読んでいたのですが、この作品は三部作の第二作品目だそう。一作品目は『夜に生きる』主役のジョーの父親や兄の話だそうです。ノアール蟹工船のような作品で歴史もの、本当にあった話を下地に書かれているそう。
『運命の日』についてはとっても詳しいかたがいて、もちろん『夜に生きる』だけ読んでも面白いけれど『運命の日』をさらに読むとジョーやトマスの行動がもっと理解できると教えてくださいました。特にジョーがなぜエマを選んだのかがわかるといわれて、ぐっと興味を持ちました。
戻って読んでもいいけど、『運命の日』を読んで『夜に生きる』を読むとジョーが大きくなって〜と親戚のおばちゃんのように読めるそうです。そっか〜、そういうことを知ってれば!

第三章29について

三部作のうち、第三部作目は誰が主人公で、どの時代の話になるのかと予想しました。3人兄弟のうち、書かれてない2番目のお兄さんの話になるのではないか、ジョーの子どもの話になるのではないかとわいわい。
そこでキーになるのは第三章29ではという意見が。
ここに出ている彼はジョーのことだろう。では、少年は?
わたしは子どもだと思っていたんですが「キューバのほうを指差すのだった」という描写からもしかしたらキューバ危機を乗り越えての話かも、という推理。確かにその前の描写もジョーの子どもだったら、十年かそこらでグラシエラを知る人が全員死んでいるっておかしいのでは?
ということはこの少年は孫?
ジョーが孫を育てているということは、その経緯が第三部作目では書かれるのでは?と推理発展しました。うわー、当たっているのかな。
加賀山さんによると、三部作目は来年の五月に出るらしいので、日本に来るのは来年秋ぐらいになるかなーということなので、それが今から待ち遠しいです。

その他

他にもギャングものでアメリカネイティブものは珍しいという話、オーディオブックにハマっている方の話、夜に生きる話なのにキューバが登場すると急に明るくなるという話、上野ドヤ街っぽいという話や、ルヘインは詩的な表現を急に使うという加賀山さんの苦労話などなどたくさんのことを話してあっという間の2時間でした。
切り口がみなさんそれぞれ違って面白かったです。

以上で感想終わります。
間違いがあったらぜひ教えてください。すぐに直します。直させてください、ぜひ。

二次会に行きたかったのですが、わたしはまた別読書会に参加したのでした(詳しくは7月14日の日記にて)。