横浜読書会本会に参加してきましたー。
今回の課題書は
- 作者: ジョセフィン・テイ,小泉喜美子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1977/06/30
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 21回
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ただやっぱり本の内容に関わることは書くので、そういうのが苦手なかたは読まないようにお願いします。
参加前
確か横浜読書会参加し出した辺りで読んでいて「面白かったー、キャーキャー」言っていた記憶はあります。しかし、読書会にぜひと薦めたわけではなかったはず。
なのに、いきなり「課題書はカエルさんも好きな『時の娘』になりましたよ」と言われたときはびっくりしました。
だって、読書会向きなの、この本!?
でも、じっくり考えると、旬な本だし、昔から人気の作品だし、難しかったイギリス史を解説してもらえるかもだし、むくむく仔羊ちゃんの話ができるのはいいのかなーと思うようになってきました。
何より今までどんな本でも読書会で何も得るところがなかった本なんてない!という安心感もあって「なんとかなるさー」ぐらいの気持ちでいました。
が、裏では大変な努力がなされていたのでありました。
用意された小道具や資料たち
今回は『時の娘』ファンがすっごく頑張ってくれてました。
右側の封筒、わかりますでしょうか〜?
受付で封蝋された三種類の色に分かれた封筒を見たときは本当にびっくりしました。なんて素敵なの!
封筒はサイズにぴったりなのがなくて手作りだそうです。封蝋はお花の柄でうっとり。封蝋も四種の色があって、制作者さんによると出来不出来があるそうで一通、一通が違ってました。
もったいなくて開封したくなくて、でも班分けのくじなので開けなくてはいけなくてヤキモキ。
誰かペーパーナイフを持ってないの?と聞いて回りましたが、あるわけなく。綺麗に開けていらっしゃるかたもいたので頑張りましたが、画像のような状況で号泣。
開けるとOだとかRだとかの素敵なアルファベットが書かれた紙(わたしはOでした)。その紙も切り抜きされ、とてもオシャレです。
まずはアルファベットごとに六から七人で分かれそれぞれの感想を聞き、その後封蝋の色の班に分かれるという一粒で二度美味しいくじでした。
くじがこんなに力作だったことは今までないです!
名札はいつも通り。
リチャードが目立っていい感じです。
さらに資料がたっぷり。
1.圧巻の家系図。
本では二つに分かれていてわかりにくいなーと思っていました。それを一つに苦労してまとめてくださったとのこと。
制作者さんは「一つにまとめたらさらにわかりにくくなったー」とおっしゃってましたが、いえいえ素晴らしかったですよ。どんだけヘンリーとリチャードとアンだらけか、よく伝わる資料です。
2.ヨーク家末裔一覧。
どれだけ人が消されていっているかわかる恐ろしい資料です。
色分けされてわかりやすくされてます。
- 作者: ウィリアムシェイクスピア,William Shakespeare,福田恒存
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1974/01/30
- メディア: 文庫
- クリック: 14回
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これでシェイクスピアは読まなくてもいいかしら<こら。
4.薔薇戦争。
薔薇戦争にちっともピンッと来てなかったわたしにはありがたい資料でした。
ええっと、つまり一人の厄介なのが王様になると、その後も大変って感じでいいのかしら?
5.参加者名簿
読書会では読む暇なく、今読んでいたらセイヤーズ好きがいっぱいいた!
セイヤーズの読書会をしたいなーと思っているので相談に乗ってほしかったなぁ。セイヤーズなら何がいいのかなぁ。
6.いつも世話役さんが作ってくださる作者やグラント警部についての資料
この資料を参考に話がまた盛り上がりました。
7.第二回翻訳ミステリー読者賞
もうそんな季節なんですね!
という豪華な資料でした。
小道具、名札、資料制作などありがとうございました。
また参加者の皆様、司会者や世話人のかたがた、ありがとうございましたー。
ということで、以下からいよいよ内容に入ります。ネタバレはしませんが、内容は一切知りたくない人は読まないように。
読書会にて話したこと
今回はネタバレ防止のために箇条書きにて。
わかりやすくするために実際の流れとは変わってます。
・読んでいると訳がわからなくなる意見多数。
・そのせいか驚きの当日ようやく読み終わった率。確かに訳わからなくなるので読むのに時間がかかるかも。
・映画やマンガにしてほしい! そうしたら登場人物をできていいのに。
・忠臣蔵や江戸幕府と比較する班多数。
・他の歴史ものでも事実と伝わっていることが違うことはあるよねー。
・初読のときはすっごく面白かったのに、再読したらあれ?
・結論は正しいのか? 資料の選択をかえたら結論もかわるのでは?
・罪状告発からスタートしたのでは?
・リチャード三世を擁護する人をリカーディアンというそう。
・トーマス・モアのやっていたことは普通では?
・ジョン・モートンは切実だった?
・主観を信じず、物証がないとダメって警察的すぎ。史学的ではない。
・好きなシーンについて。わたしは家計簿万歳のシーン。
・むくむく仔羊ちゃんは可愛い。けど心配。「むくむく仔羊ちゃん」って原文では何となっているのかしら?
・ラストについては賛否両論。さらりと流していたわたしはダメかしら?
・時の娘の意味がわからず、娘が出てこないのはなぜ?と思ってた人も多数。
・ラテン語で「真理は時の娘」というのがあり、さらにはベーコンの言葉で「真理は「時」の娘であり、権威の娘ではない。」というのがあるらしい。この小説にぴったり! ベーコン、良いこと言うね<なぜか上から。
・イギリスの小学校の教科書にリチャード三世は載っていないのか? なぜみんな知らないんだ!
・グラント警部が見たらしいリチャード三世の絵はいつに描かれたもの?
・リチャード三世の絵の鑑賞方法としては婦長が正しい?
・資料を見たらリチャード三世の悪そうな絵もあるよ!
・でも、資料にある遺骨から復元されたリチャード三世はカバーの絵に似てる?
・他の班ではリチャード三世の肖像画は実際どう感じる?と盛り上がった様子。
・安楽椅子探偵ものでオススメは?
・歴史ミステリーといえば?
・『オックスフォード運河の殺人』はどう?
・シェークスピアは読めなかったけど、この家系図があれば『リチャード三世』読める!
・シェークスピア読んでいる人が意外といる。さすが翻訳ミステリの会だわ。
・『ヘンリー六世』は『リチャード三世』への膨大なプロローグらしい。
・シェークスピアなら悲劇がオススメ。しかし、一度読めなかった身としてはハードルあるのでぜひ読書会の課題書にしてほしい。そしたら読むかもしれない。
・グラント警部とマータは恋人なの? 違うんじゃないの? 警備して知り合ったらしいけど?
・『ロウソクのために一シリングを』は否定派もあり肯定派もあり、『フランチャイズ事件』は面白いという意見あり。
・実際にロンドン塔ツアーに行くと面白いよ!
他にもいろんな話が出て、2時間があっという間でした。
関連本まできちんとチェックされているかたもいて、本当に充実した時間を過ごすことができましたー。
2次会でも本の話題であっという間でした。
特に気になったのは東京創元社さんのキャラクターの名前募集のこと。猫なのにうさぎを被っているって……
以上、横浜読書会参加の感想でしたー。何か間違いがあったら、すぐに連絡ください。
次回の忘年会も参加できるといいな。