カエルほんのめも

ほんのめもです

本格ミステリ大賞

本格ミステリ大賞の読者招待に当選したので行ってきましたー。

準備

日本ものを最近読まないでいたら、
候補作
【小説部門】候補作(タイトル50音順)
『衣更月家の一族』深木章子(原書房
『スチームオペラ』芦辺拓東京創元社
『葬式組曲』天祢涼(原書房
『夏服パースペクティヴ』長沢樹角川書店
『密室蒐集家』大山誠一郎原書房
芦部さんと大山さんしか知らないよ!
日本ものへの復帰と新しいかたたちへの期待を込めて、応募はがきを出したところの当選でした♪

※辻さんサイン入り招待状です。
やっぱり熱い気持ちは大事です。

前回翻訳ミステリ大賞の開票式をほぼ読んでない状況で参加し反省したので、今回は一生懸命5作品読んでいきました。
一番好きだったのは深木さんの『衣更月家の一族』。でも、深木さんはまだデビュー間もないこともあり無理かなと思いながら開票式に向かいました。

※今年も光文社です。

開票式

以下、わたしがわかる限りで書いてます。
もし間違いなどあれば教えてくださると幸いです。

会場につくとざわついた雰囲気。以前参加したときはいらっしゃった気がする読者の案内のかたも見当たらず。どうしたものかしら、と思っていたら、名札の席へいってくださいと声をかけられました。
以前は案内役のかたがいらっしゃって、用意までもサインをもらえたりしたのに変わったのかなぁ。

開始まで席を立ちにくい雰囲気でもあったので、隣のかたとお話ししてました。わたしは『衣更月家の一族』が良かったのに対し、『葬式組曲』が良かったという隣のかた。でも『密室蒐集家』がとるのではないかと予想されていらっしゃったので、どうしてそう思われるのか、わたしの『密室蒐集家』感想などを話してました。やっぱりちゃんと読んできて良かった!
そんな話をしていたら、後ろに懐かしい北村亭の知人が。びっくり&嬉しくてお話ししてました。
また、わたしの隣の反対のかたは、本をどしどし積み重ねられてました。何冊あるんだろー!
一方、わたしは読むのに力を入れてたせいで本を探しだす時間がなく、直近で買った

を持っていたのみ。もっと持ってきてればよかったと思うのは法月さんと鳥飼さんを見たとき。特に鳥飼さんは最初のときは持ってきてたのにー。

そんなこんなであっという間に時間は経ち、末國さんの司会の元、開始されました。
開票の流れは
北村先生がその場で開票(本当に現場で鋏を入れて開けてました)
→太田さんが投票用紙を取りだす
→柴田さん・東川さん・鳥飼さんが文字数チェック
→戸川さんが投票用紙を持って移動
→辻さんが発表
一票目は「『密室蒐集家』に一票、初野晴」とのこと。
→大倉さんが投票用紙を持って移動
→クロケンさんが票管理

出版社のかたが票が入るとパソコンを操作

こんな風に票を管理されてました。すごいなー。

最初、小説部門では『スチームオペラ』、評論・研究部門では『本格ミステリ鑑賞術』がダントツでしたが、いつのまにか『密室蒐集家』が逆転。
気づけば『密室蒐集家』がぐんぐん票を伸ばしました。
最終的に倉阪鬼一郎さんの『本格ミステリ鑑賞術』への一票で、
小説部門 『密室蒐集家』大山誠一郎原書房
評論・研究部門 『本格ミステリ鑑賞術』福井健太東京創元社
本格ミステリ大賞が決定しました♪
おめでとうございます!

記者会見

発表後、自由にサインをもらっていいですと言われ、千澤さんが作家さんたちに声かけましょうかとお声掛けしてくださいました。
今回いらっしゃったのは役員のかたでは、門井さんと綾辻さん以外は全員。他は候補者のかたが四人もそろっていました。
わたしが前に当選したときはいらっしゃらなかったのに<なので今回一冊も持ってこなかった。

深木さんも大山さんも天祢さんも初めて拝見しました。
こんなことなら!と本を持ってこなかったのを悔やんでいたのですが、天祢さんはSNSページに行くと書かれてますね……下調べって大事!
深木さんは他の参加者のかたから聞いたところによると、手を怪我されていてサインをもらえなかったとのこと。でも、代わりに可愛い栞をくださったそうです。今後の執筆は大丈夫なのかしら〜と心配になりました。

わたしは『ミステリ・オールスターズ』にサインをもらってました。サインを快くくださった作家のかたがたありがとうございます。
が、プレゼントを渡し著作を何冊も持ってきているファンの中で、さすがに申し訳なくなったので早々に席に着き、作家さんたちを眺めてました。
やっぱり日本ものもちゃんと追っかけないとなーと反省した次第です。

さて、そうこうしているうちに記者会見が始まりました。
芦辺さんさんが司会で、いいのか!?と思いました。
まずは受賞のかたの言葉。
数えきれない欠点、数少ない長所がある中で、その長所を最大限評価してもらえた。カーが大好きで密室ものの短編を書くのが夢だった。
というようなことをおっしゃってました。
芦辺さんから「今回の作品は描き下ろしということでしたが、どういう経緯で書かれたんですか?」とご質問が。
それに大山さんは「二階堂さんのアンソロジーで書かせていただいて、その次のときも書かせていただきました。そしたら、原書房の石毛さんから一冊にしないかといわれました」と答えられてました。

そこで、京都にいる福井さんからメッセージが届きました。
福井さんはまったく予想してなかったそうです。皆様に感謝を〜というような内容でした。

以下、少し『密室蒐集家』の内容に触れますので、気になるかたは注意を!


そして、質疑応答に。
質問者「発想はどこから」
大山さん「最初の短編のトリックが超自然を必要としているので、それを目立たなくするために超自然的探偵を出すことにした。二作目は過去の作品になった。そこから、過去も行き来する作品にした」
質問者「トリックが先か、時代設定が先か」
大山さん「トリックが先です。トリックを考えたあとで、そのトリックが成立するのはどの時代か考えた」
質問者「トリックの発想は」
大山さん「トリックは時代が進むにつれて成立しにくくなる。その場合、過去を舞台にすることでトリックを成立することができるようにした」
質問者「本格にこだわって書いているか」
大山さん「読むのはエンタメでも何でも好きだが、自分の書く能力を最大に活かせるのはパズラーであると思うので本格を書いている」
質問者「本格ミステリに惹かれたきっかけは? また密室への思いを」
大山さん「本格ミステリに惹かれたきっかけは、クイーンの国名シリーズ、クリスティ、カーを読んで夢中になったこと。密室への思いは、乱歩の『カー問答』からカーの作品を読み漁った。カーに夢中になった原体験が私を密室好きにしたと思う」
芦辺さん「今後の抱負や次回作は?」
大山さん「『密室蒐集家』の次の作品を原書房から。南雲堂で長編を。東京創元社からは連作短編をと長いこと依頼を受けてます。これまでの作品は後悔が多いので、その後悔を糧に満足してもらえる作品を書きたい」

こうして開票式は終了しました。
当選できてよかったです。ありがとうございました。